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高知県昭和期小説名作集3 田中貢太郎(下)
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田中貢太郎著
四六判 499頁 1995年3月刊 定価2,854円 |
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| 田中貢太郎は酒をこよなく愛し、彼の家の玄関には四斗樽と一合升が置いてあり、まず一合升で一杯飲み干さなければ入室を許可されなかったと言われている。また、郷土の作家大町桂月を生涯師と仰ぎ、自らも雑誌『博浪沙』を創刊し、尾崎士郎、井伏鱒二、田岡典夫などがそこから巣立っていった。 | |
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出身 明治13年3月2日高知県長岡郡三里村仁井田(現高知市)生まれ。 小学校3年を卒えたのち、漢学塾に通い、小学校の代用教師や、新聞記者などをつとめ、23才で上京したが、病のため一時帰郷。27才で再度上京、大町桂月、田岡嶺雲(田岡典夫の伯父)などの薫陶を受けた。 |
![]() 巻頭写真 |
| 全12巻・定価 各巻2,854円・四六判・上製本 文学は一時代の社会や風俗、思潮を描きだすものであるとともに、時代を超えて流れる伝統や文化に深く根ざした営みでもあります。高知新聞創刊90周年の企画、『高知県昭和期小説名作集』全12巻は、高知の歴史を顧み未来を志向するうえで、有効な手だてとなりうると考えます。本企画の概要は、昭和の日本文壇を彩った土佐出身作家(故人)の代表作、土佐を描いた郷愁あふれる小説を一堂に紹介するもので、高知県初の文学全集です。 この全集の大きな特色の一つとして「貴重な文学史資料」があります。名作家の新しい情報を加えたプロフィール、作品解説、略年譜を収載したばかりではなく、口絵写真や月報を通じて土佐発信にふさわしい資料の提供に努めました。写真では、田宮虎彦の誕生時、少年時代に高知港桟橋で撮ったもの、ふるさと大方町浮鞭を訪れたタカクラ・テル、モスクワで大原富枝氏らと一緒の田村泰次郎などの珍しい写真もあります。 編集委員諸氏によって選ばれた作家は、田中貢太郎から田中英光まで10人。今日では入手の困難な作品がほとんどです。これらは読者の長年の渇望に応えるものであり、<心の時代>といわれるいま、12巻の文学的果実は、私たちに豊富な滋養をもたらしてくれるものと信じます。 明治以来百年余にわたって、高知ほど優れた文学者を輩出した土地は少ないといわれます。ここに取り上げた10人のほかにも、郷土の生んだ日本的文学者は数多く、本名作集では物故した小説家に限りました。他日を期したいと思います。<地方の時代>ともいわれる現在、この『高知県昭和期小説名作集』が、高知からの情報発信の一つになっていくようにと願っています。 ■編集委員 |