添乗員つれづれのーと
1〜5 /  /  /  /  / 10 / 11〜15 / 16〜20 / 21〜25 / 26〜30
31〜35 / 36〜40 / 41〜45 / 46〜50 / 51〜55 / 56〜60 / 61〜65 / 66〜70
71〜75 / 76〜80 / 81〜85 / 86〜90 / 91〜96

   
  6.ケニア人は足が速い? 2003年5月8日高知新聞掲載  
アフリカ ケニア人  アフリカは日本から最も遠い大陸の1つで、お互いに知らないこと、誤解していることが多いようです。10年前に最初にケニアに行った時、誤解をしていたと思う出来事がありました。
 ケニアの旅行は基本的にサファリ(動物を観察するためのドライブ)が目的です。ドライバーはケニア人で、ケニアの公用語である英語を話します。その説明を添乗員が通訳するドライバーガイドと呼ばれるやり方です。ただ最近は日本人観光客も増えてきているのでキリンやゾウなどは日本語で教えてくれるガイドもいます。
 添乗員としては親しくしたいので、食事をともにしながらコミュニケーションを図るのです。その時にケニア人は足が速い、という「常識」から「君たちは足が速くてうらやましい」と言うと、「自分はキユク族なので速くない。速いのはカレンジン族だ」という意外な返事でした。
 その後、詳しく聞くとケニアには42の民族、50の部族語があり、カレンジンはその1つです。国際マラソンなどで活躍しているケニア人はカレンジンなのです。
 有名なマサイ族もその1つです。他の部族はほとんど農耕ですが、彼らは遊牧。町や村から離れたサバンナで、財産であり食料源である牛の群れとともに赤っぽい布を巻いた姿で生活をしています。
 車で移動中、地平線まで続く大地をどこかに向かってさっそうと1人歩いて行くマサイの姿を見かけます。一般の人は住むのが禁止されている国立公園内や動物保護区内も気の向くままに移動しているのです。
 長身、勇猛で知られるマサイは昔は2メートル以上もある長いやりを手放しませんでした。現在では危険とされ禁止されています。でも急にやりを持たなくなっては身体のバランスが悪いのか、男は必ず1〜2メートルの棒を携えています。少し気味悪くもあり、チャンバラ好きの子どものようでもあり、少し笑ってしまいます。
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  7.長時間フライト 2003年5月15日高知新聞掲載  
イースター島 モアイ像  添乗に困るのは、急なスケジュール変更です。航空機が原因の場合が多いのですが、これと長時間フライトが絡んだツアーが数年前にありました。
 近年、航空会社の業務提携が進んでいます。以前は日本発のA社便に乗って海外の空港でB社便に乗り換えた場合、A社便の割引運賃が使えず高い料金になっていましたが、業務提携で割引料金が使えるようになりました。
 これを利用してイースター島への旅行を計画しました。日本からのルートとしてはタヒチ経由が一般的です。タヒチで気持ちよく過ごし、その夜にはイースター島へ出発という時、悪い連絡が来ました。
 島が台風に巻き込まれていて飛行機が出発できない。次の便は2日後だが、それも飛ぶかどうかわからない。業務提携の航空機でアメリカ回りで行くこともできるがどうするか、という連絡です。
 変更の場合は参加メンバーの意思を優先することが大前提です。相談したところ、さすが台風県高知の皆さまで、2日も続く台風はない、ここでゆっくり遊びながら次の便を待とうということになりました。2日後、無事出発できイースター島での日程は少し短縮にはなりましたが見るべき所は見ることができ、往路と同じルートでの帰路となりました。
 機内に行きには見かけなかったグループが乗っていて添乗員らしき女性がお疲れの様子で座っています。声を掛けると半分涙目で「聞いてください。大変でしたよ」。グループは東京から私たちと同じようにタヒチまで来て、同じ連絡が来たのです。彼女たちが選んだのはアメリカ回り。
 興味のある方は世界地図を開いて見てください。タヒチ―ロス8時間40分、ロス―サンチャゴ13時間、サンチャゴ―イースター島5時間40分を連続で移動したのです。
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  8.イースター島の自然 2003年5月22日高知新聞掲載  
イースター島 モアイ像  旅行が好きな人は本人が自覚しているいないにかかわらず、いくつかのパターンに分類できます。自然好き、歴史好き、リゾート好き、ショッピング好きなどですが、遺跡の好きなグループもかなり大きな割合を占めています。
 遺跡の好きな方が最終的に行きたい所を挙げると必ず上位になるのがペルーのマチュペチュとチリのイースター島です。イースターは同じ島でもタヒチやフィジーなどポリネシア系の島々とはまったく趣が違います。
 タヒチから約6時間のフライトです。同じ太平洋、緯度もほとんど変わりません。以前行ったとき、タヒチと同じ半そで、短パンといった服装で飛行機から降りたところ真冬のような冷たい風が吹いていて全員大慌てでした。
 イースター島は「絶海の孤島」と呼ばれ、人間の住む最も近い島から2000キロ、本土のチリから4000キロ近くも離れています。人口3000人足らずの荒涼とした島は、有名なモアイ像がなければ、漁船以外は寄り付かず空港もできなかったでしょう。しかし現在、滑走路だけはスペースシャトルの緊急着陸用に米国によって整備され、場違いに素晴らしい。
 モアイ像を実際に見るとだれでも感動します。倒れているものや作りかけのものを入れると500体以上あると言われます。由来は宇宙人の仕業ではないかという説まであります。
 しかし、現地を見て説明を聞くと、過去には豊かな自然があり樹木が茂り、その資源を利用して繁栄した文化があり、争いが起こって滅びてしまったことがよくわかります。
 この荒れ果てた島にいると自然が壊され天候までおかしくなってきた地球のミニチュアモデルのような気がし、暗い気分になり早く島を出たいような感覚に襲われました。
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  9.白銀の峰、草原、湖 2003年5月29日高知新聞掲載  
スイス  海外の観光地について「日本人観光客に人気の・・・」というような紹介をする場合があります。しかし一口に日本人と言っても北国の人、南国育ちなどであこがれを持つ場所は大きく変わってきます。
 キーワードは、ない物ねだりということになるのですね。例えば北日本や海のない県の人たちはハワイ、グアムなど常夏のビーチリゾート系に執着がありますが、高知の人はそれほどでもありません。
 ある時、ニュージーランドの牧場で働いている北海道出身の青年と出会いましたが、広々とした牧場と羊の群れを背景に「景色も環境も北海道とほとんど同じで変化がない」とぼやいていました。
 さて高知の人の一般的に好きな景色はと考えると、高知にないもの、すなわち白銀の峰、シラカバの林、どこまでも続く緑の草原、青い水をたたえる鏡のような湖などがポイントです。
 信州、東北地方、北海道、スイス、カナダ、ニュージーランドと並べるとうなずいていただけると思います。そういった意味で、最大公約数の方にお勧めの1つはありきたりですがスイスです。
 通常、ガイドブックの写真や絵はがきのような場所は写真を撮るための特殊な場所と思われていますが、スイスは違います。写真になる所ばかりです。カメラやビデオが趣味の方が、午前中なのにもう1日の予定のフィルムを全部使ってしまったと嘆くのはいつものことです。
 スイスは九州ぐらいの面積ですが、国土の60%は山岳地帯。4000メートル級の山々が連なり、湖は数百といわれています。
 観光地以外の場所でも緑の牧草地が果てしなく続き、スイスらしい山小屋風の家々の窓には隣家と競い合うように美しい花が飾られています。
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  10.ユングフラウ 2003年6月5日高知新聞掲載  
3山  スイスは日本人の希望旅行先のトップの国です。行くのなら絶対に6、7月です。日本では梅雨時、高知でも雨が続き、湿気が高く、クーラーがないと熟睡できない毎日です。
 この時季スイスはさわやかな空気の中、野生の花々が咲き乱れています。家々の窓にはゼラニウムなどの花が飾られ、夜になると少し寒いくらいで気持ちよく眠れます。
 最も多くの人が訪れるのはユングフラウ山系です。北壁で有名なアイガー、ユングフラウなど4000メートル級の名山が肩を並べるようにそびえ、周辺には登山鉄道、ゴンドラ、リフトなどが完備しています。スイスの山歩きにはこうした交通機関が簡単に使えるのでまず交通機関で登り、歩くのは横か下に、というやり方です。
 何泊かする場合、以前はふもとのインターラーケンでした。10年ほど前からはアイガー北壁が正面に見える村、グリンデルワルトに泊まるのが流行になりました。近年はトレッキングが人気でもっと標高の高い場所に宿泊地を求めるようになってきました。
 あまり知られたくないのですが、お勧めの宿泊地があります。ユングフラウ3山から谷を挟んで反対側、標高1650メートルにある小さな村ミューレンです。登山電車の終点にあり、冬はスキーでにぎわいますが、高山植物の花に囲まれ「アルプスの少女ハイジ」が歩いていそうな村です。
 村自体、遠くから見ると断がいの上の鳥の巣のように見えます。いくつかのホテルはその断がいの端に建っています。夏は夜の9時すぎまで明るく、鳥のさえずりまで聞こえます。目の前にはアイガー、メンヒ、ユングフラウの3山が夕日を浴びて輝いています。夕食の後、がけに面したベランダでのスイスワインの一杯は至福の時です。
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