フラフはオランダ語の旗の訛りで、大漁旗から着想したともいわれます。主に高知市から東の海岸地帯で男子誕生を祝う端午の節句に、鯉のぼりや幟とともに、真澄の空高くあげられております。稲の二期作がはじまった明治のおわり頃から、天候の不順な農繁期における生活の中で、取りあつかいを簡便にと工夫された風習がひろまり、伝統となりました。

 さて染色工芸五代をつたえる吉川工房では、先代の故半蔵翁によってフラフの製作がはじめられました。半蔵翁は四條派の画家として、別にかの幕末土佐の絵金の技法をもあわせて、フラフの構図に新生面をひらき、半蔵フラフの名で親しまれ、他方では類似模倣をもはやらせたことでした。

 吉川毅氏はその正統の継承者として技法のすべてを伝えております。

 全行程が手づくりになるフラフは、まず唐紅の下画を米糊で筒描きします。そしてけんらんたる色彩の一刷毛づつが、豪放かつ繊細にぬられてゆきます。

フラフの大きさ
大(四巾) たて約4m×よこ約7m
中(三巾) たて約3m×よこ約5m
小(二巾) たて約2m×よこ約3m


筆先に誂え主の家紋又はのしがあざやかに染めぬかれます。

 図柄は神功皇后、義経の八艘とび、那須の与一など数十種におよぶ勇壮な武者絵から、なつかしい桃太郎の昔話など多様にわたっています。

 中でも金太郎遊鯉の図は、民俗説話をふまえて、雷神の子の金太郎と竜神の子の大鯡鯉の交歓によって、愛児のすこやかな成長祈願とともに、一年の天候の平穏と収穫の豊饒をもあわせいのるものとして、特に愛好されております。

 なか空のさわやかな風に乗って、さんらんたる陽光にひるがえるフラフは、まさしく南国土佐の初夏の風物詩であります。

 そしてまた、現代建築の壁面をかざる室内インテリアとして、四季をとわず、海外にまで普及宣伝されつつあります。

 平成5年、毅氏が家業を継承する為戻ってきてからは室内にも飾れるタペストリー(壁掛)を製作。フラフそのままの迫力が凝縮され、マンション等のインテリアとしても喜ばれ評価されています。

 子供の成長を祈るフラフ、室内を飾るインテリアも創る人の心のぬくもりと、使う人の愛情が共感を呼ぶものであって欲しいと願いながら制作されています。


タペストリー 約90×約150cm




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