添乗員つれづれのーと
1〜5 / 6〜10 / 11〜15 / 16〜20 / 21 / 22 / 23 / 24 / 25 / 26〜30
31〜35 / 36〜40 / 41〜45 / 46〜50 / 51〜55 / 56〜60 / 61〜65 / 66〜70
71〜75 / 76〜80 / 81〜85 / 86〜90 / 91〜96

   
  21.ここにも自然破壊の波 2003年9月4日高知新聞掲載  
ポッサム  タスマニアは本土から隔絶された島で、自然が豊かに残っています。オーストラリア本土は赤茶けた大陸という印象ですが、タスマニアは緑に覆われたみずみずしい印象の島です。
 いくつもの国立公園があり、国内外から自然愛好家の人気を集めています。すでに絶滅したタスマニアタイガーは、少なくとも70年前までは生きていたそうです。
 有名なタスマニアンデビルはオーストラリア独特の肉食動物で野生で生息しています。大層な名前ですが、実際は不恰好な犬のようで、肉食といっても車にひかれた動物の死がいを夜になると出てきて食べているようです。また小型のカンガルーのワラビー、ウォンバット、ポッサムなどもいて多彩です。
 ホバートの住宅の前の川に最近までカモノハシがすんでいたという話も聞きました。鳥のように卵を産むことで知られていますが、デリケートな習性で動物園でもまず見られません。それが民家の近くにすんでいたということで、自然の豊かさが分かります。
 しかしこの自然がいっぱいの島でも、世界的な自然破壊の波と無関係ではありません。滞在中の新聞に、島の中央部の川が金鉱跡から流出した毒物で「死の川」になったというスクープが載っていました。
 「1匹の魚も1匹のカモノハシも見られない」、という記事でしたが、カモノハシとはさすがにオーストラリアです。次の日には、州政府が調査に乗り出し復元に努力するとの記事が出ていました。
 また島には固有の針葉樹があります。100年に12センチしか生長しない最高級木材ですが、乱獲により現在は伐採が禁止されています。タスマニアの森から切り出された木材チップの最大の輸入国は日本です。ホバートの街角には、国立公園を守る運動の会員募集のポスターが見られました。
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  22.ここは私の席 2003年9月11日高知新聞掲載  
シドニー  1日から15日間以内の旅行について、中国ビザが不要になり、便利になりました。以前はアメリカ、台湾、韓国なども必要でしたが、これで日本人が比較的よく旅行する先で、ビザがいるのはベトナム、ロシアくらいです。
 旅券とビザを混同している方がいらっしゃいます。旅券(パスポート)は国を出たり入ったりする時に必要な身分証明書、ビザは旅行先国が発行する入国許可証です。
 ところが、外国人にとって日本は、ビザ取得が必要な上に手続きも厳しく難しい国として有名です。また日本旅券はビザなしで多くの国に入国でき、変造して使用する目的で犯罪者に狙われやすい面もあります。
 「旅券は命の次に大事」です。旅券をなくすると、かなり面倒なことになります。日本大使館で再発行手続きです。大使館は通常、その国の首都にあり、地方でなくすると、大使館まで行くのが大変です。大使館の休日、受付時間の問題もあります。週末だと2日間手続きが取れません。
 もっとも最近は日本に帰国するだけなら、条件を満たせば旅券に代わる一時渡航の書類をかなり早めに発行してくれます。ただし、他の国に行く場合は再発行を待つしかありません。
 旅券が盗難に遭う場面の一つに笑い話のようで笑えない話があります。先日行ったシドニーで、現地のガイドが、「昨日のケースですが・・・」、と話してくれました。
 最近のホテルの朝食はほとんどバイキング形式。混雑していて席を探しにくいのが普通です。やっと見つけた席に、国内のいつもの癖で「ここは私の席」と、バッグを置き、食事を持って引き返すと「ない!」、というケースです。「私の席」のバッグは、ドロボー語に翻訳すると、「貴重品です。どうぞ」となります。
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  23.漢字のサイン 2003年9月18日高知新聞掲載  
スペイン マドリード  ご存じのように、日本は世界レベルで比較すれば例外的に治安の良い国として有名です。近ごろ東京や大阪などの大都会は物騒になってきましたが、高知は相変わらず安全です。飲食街を深夜、若い女性が1人で歩くなど外国人の目には信じられないようです。
 必要以上に警戒することはないのですが、海外は日本より治安が悪いと考えた方が無難です。昨年行ったスペインでは、現地の日本人ガイドが手ぶらでやってきました。「この数年でスリやかっぱらい、置引などあらゆる方法で物を盗まれたので、何も持たないで動くようにしている」とのことでした。
 しかし、スペインでもマドリード以外ではそんなことはありません。盗難を回避するためには持たないことですが、無一文で旅行するわけにはいきません。以前は盗難に遭っても支払いをストップできる利点で、旅行者用小切手が多く流通していたのですが、最近はクレジットカードです。
 現金はできるだけ少な目に、予備はカードで補います。支払いをストップできる上に、漢字のサインなら紛失しても外国人には筆跡をまねできないといわれています。
 逆に警戒をし過ぎたせいで起きた出来事があります。何度も出合ったのですが、「部屋の枕の下に財布を忘れた」ケースです。一番安全な場所というのは分かるのですが、枕の下に貴重品を隠すというのは、多分江戸時代など木賃宿に見知らぬ人同士が雑魚寝をしていたころの習慣です。
 ホテルの部屋は通常の鍵だけではなくチェーン式の内鍵などがあり、内鍵をかければ安全は大丈夫です。翌朝の出発に備えての就寝には、貴重品を目に付かない場所に隠すより、忘れないように目に付きやすいデスクの上などに置く方が正解のように思います。
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  24.ホテルあれこれ 2003年9月25日高知新聞掲載  
ベネチア風景  海外旅行のホテルというと、多くの方に浮かぶイメージは、ハワイにあるようなロビーが広く見上げるような高層建築でバルコニーなどが付いているものではないでしょうか。ハワイに代表されるような長期滞在者が多いリゾート地では、中級以上のホテルはこのような感じです。ヘルスクラブやプール、ショッピングセンター、複数のレストラン、ナイトクラブなどがありホテルから外に出かけなくても退屈せずに1日過ごせるようになっています。
 ところがヨーロッパは事情が違います。どの国も町並みや家並み自体、歴史と伝統を最優先で重視します。中世風の落ち着いた町並みにそぐわないような建物は排除されますので、昔ながらの雰囲気を持って町に溶け込んでいるようなホテルが主体です。
 もちろん地中海沿岸の高級リゾートへ行くと高層ホテルも立ち並んでいますが、通常の周遊ツアーで宿泊する町や村のホテルは、正面から見ても隣近所の商店やアパートの入り口とほとんど変わらないような感じです。それでも奥行きは十分あって居住性は問題ありません。従業員も多くはないのですが、なによりも家庭的で温かい雰囲気が魅力です。
 時々発生する問題点は、トイレの水が流れにくい、窓の閉め方がわからない、エレベーターが古い型のもので遅いなどなどで、アメリカや日本ではまず発生しないケースです。
 アメリカ本土やハワイ、東南アジアなどの旅行経験があってヨーロッパへ行った人が最初に戸惑うのがホテルの違いです。「中級以上のランクなのにロビーは狭いし古い」という感覚です。しかし気を取り直して、それぞれに趣の違うホテルを動いている間に、「最初は驚いたが、画一的でなく血の通っているヨーロッパスタイルの方が好きになった」という人が増えていくのもヨーロッパのホテルです。
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  25.ロマンチック街道 2003年10月2日高知新聞掲載  
ロマンチック街道 ローデンブルク  ドイツを旅行中です。今年の夏は異常な暑さだったヨーロッパもすっかり秋の季節です。それでも例年よりは高温のようで、紅葉は遅れ気味です。
 ヨーロッパの観光コースのなかでも、日本人に人気のある「ロマンチック街道」をバスで走っています。ロマンチック街道と聞くと女性向き、カップル向きのような印象を受けると思います。
 これは日本では通常、ロマンチックなドラマとかロマンスシートとかの言葉で使われているのが原因と思われます。
 実はドイツ語やフランス語にはロマンチックには2つの意味があり、「ロマンチック街道」の場合は本当はもう1つの意味です。語源としては、ローマ帝国の「ローマの」という意味だったのが長い間に変形して「中世風の」という意味になったものです。
 ロマンチック街道は道自体や車窓の景色が特にロマンチックなわけではなく、中世そのもののような美しい町や村を結んでいる350キロメートルの街道のことです。
 ドイツは自然が豊かでどの道も緑に囲まれて走ります。ロマンチック街道が特別良いということはなく、車窓の風景はもっと美しい道があるくらいです。
 こうした事情について日本のガイドブック類はかなりあいまいです。街道自体がロマンチックと誤解されたままで、旅行者が多ければそれで結構、と思っているかのようです。
 でも最近、旅好きの男性が「ロマンチック街道は女性向きのようでまだ行っていない」と言っていました。ちょっと気になります。
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